量子力学
2008年10月9日木曜日
概要 ニュートン力学に従えば、あらゆる物体の初期条件が測定できれば、その後の運動(位置と運動量)を完全に記述できることが期待される。しかし、実際には原子や分子、電子、素粒子などの非常に小さなスケールの現象(微視的現象)を扱う場合、粒子の位置と運動量は同時に両方を正確に測定することができない(不確定性原理)。また、原子や電子が粒子としての特徴をもつと同時に波としての特徴をもつ(物質波の概念)ことが知られている。一方、光や電波のような電磁波もまた、波としての性質を持つと同時に粒子としての特徴をもつ(光量子仮説)ことが知られている。このような性質をもっている量子という概念を導入すると、量子の確率分布を数学的に記述することができ(確率解釈)、粒子や電磁波の振る舞いを理解することができる。これを量子力学と呼ぶ。1925年のシュレーディンガーによる波動力学と、ハイゼンベルクの行列力学がそれぞれ異なる数学的手法によって量子力学の基礎を完成させた。それまでに確立していた決定論的な物理学とは異質であるため、これらの理論が提案された20世紀初頭にはその解釈をめぐって大論争が展開された。現在では、巨視的な物理から(原子スケール程度に)微視的な物理までをほぼ完全に記述できると考えられ、量子力学に基づいて多くの工学的な応用もなされている。更に微視的(素粒子スケール程度に)な物理までを記述する理論の研究も行われている。 物理学における量子力学の位置づけ 量子力学を基にして、それを手段として用いる物理学分野全般のことを、量子物理学(Quantum physics)と言うことがある。これには物性物理学のほとんどの領域、素粒子物理学、核物理学など広範な分野が属する。また、工学的な応用研究を指して、量子工学(Quantum engineering)と呼ぶ場合がある。材料関連、ナノテクノロジー、電子デバイス、半導体、超伝導素材の応用研究など、広範な分野が属する。量子物理学や量子工学という言葉はいずれもかなり広範囲の領域を含むため、現在では大学の学科の名称などにしか用いられていない。なお、古典物理学の対義語として、現代物理学という言葉を使う場合は、量子力学と相対性理論の2つを指す。ニュートンの万有引力を古典力学における重力の記述とするならば、現代物理学的な重力の記述は一般相対性理論であるということができる。量子力学と相対性理論を合わせた理論(量子重力理論)の記述が望まれるが、いまだ完成されていない。
一般相対性理論
一般相対性理論(いっぱんそうたいせいりろん、独語:AllgemeineRelativitätstheorie、英語:General theory of relativity)は、一般相対論(General relativity)ともいい、アルベルト・アインシュタインが、1905年の特殊相対性理論に続いて1915年~1916年に発表した物理学の理論。ニュートン力学と比較す
ると、運動の速度が速い場合や、重力が大きい場合の現象を正しく記述できる。概要一般相対性原理と一般共変性原理および等価原理を理論的な柱とし、リーマン幾何学を数学的土台として構築された古典論的な重力場の理論であり、古典物理学の金字塔である。測地線の方程式とアインシュタイン方程式(重力場の方程式)が帰結である。この理論では、アイザック・ニュートンが発見した万有引力はもはやニュートン力学
的な意味での力ではなく、時空連続体の歪みとして説明される。一般相対性理論では、次のことが予測される。重力レンズ効果 -- 重力場中では光が曲がって進むこと。アーサー・エディントンは、1919年の皆既日食で、太陽の近傍を通る星の光の曲がり方がニュートン力学で予想されるものの2倍であることを観測で確かめ、一般相対性理論が正しいことを示した。水星の近日点の移動 -- ニュートン力学では説明不能だった水星軌道のずれが、太陽の質量による時空軸連続体の歪みが原因であることを示した。重力波 -- 時空のゆらぎが光速で伝播する現象。膨張宇宙 -- 時空は膨張または収縮し、定常にとどまることがないこと。ビッグバン
宇宙を導く。ブラックホール -- 限られた空間に大きな質量が集中すると、光さえ脱出できないブラックホールが形成される。重力による赤方偏移 -- 強い重力場から放出される光の波長は元の波長より引き延ば
される現象。時間の遅れ -- 強い重力場中で測る時間の進み(固有時間)が、弱い重力場中で測る時間の進みより遅いこと。一般相対性理論は慣性力と重力を結び付ける等価原理のアイデアに基づいている。等価原理とは、簡単に言えば、外部を観測できない箱の中の観測者は、自らにかかる力が、箱が一様に加速されるために生じている慣性力なのか、箱の外部にある質量により生じている重力なのか、を区別することができないという主張である。相対論によれば空間は時空連続体であり、一般相対性理論では、その時空連続体が均
質でなく歪んだものになる。つまり、質量が時空間を歪ませることによって、重力が生じると考える。そうだとすれば、大質量の周囲の時空間は歪んでいるために、光は直進せず、また時間の流れも影響を受ける。これが重力レンズや時間の遅れといった現象となって観測されることになる。また質量が移動する場合、その移動にそって時空間の歪みが移動・伝播していくために重力波が生じることも予測される。アインシュタイン方程式から得られる時空は、ブラックホールの存在や膨張宇宙モデルなど、アインシュタイン自身さえそれらの解釈を拒むほどの驚くべき描像である。しかし、ブラックホールや初期宇宙の特異点の存在も理論として内包しており、特異点の発生は一般相対性理論そのものを破綻させてしまう。将来的には量子重力理論が完成することにより、この困難は解決されるものと期待されている。万有引力の法則との関係アインシュタイン方程式は微分方程式として与えられているため局所的な理論ではあるが、ちょうど電磁気学における局所的なマクスウェル方程式から大域的なクーロンの法則を導くことができるように、アインシュタイン方程式は静的なニュートンの万有引力の法則を包含している。万有引力の法則との主な違いは次の3点である。重力は瞬時に伝わるのではなく光と同じ速さで伝わる。重力から重力が発生する。質量を持つ物体の加速運動により重力波が放射される。ここで、2.は光には無い性質であるが、重力の他に、弱い力(ウィークボソンが媒介する力)、強い力(グルーオンが媒介する力)も持っている性質である。3.は荷電粒子が加
速運動することにより電磁波が放射されることと類似している。これは、万有引力の法則やクーロンの法則に、運動する対象の自己の重力や電荷の効果を取り入れていることに対応している。
特殊相対性理論との関係
特殊相対性理論が、“加速している場合や重力が加わった場合を含まない特殊な状態”における時空の性質を述べた法則であるのに対して、一般相対性理論は、”加速している場合や重力が加わった場合を含めた一般的な状態”における時空の性質を述べた法則であり、等速直線運動する慣性系のみしか扱えなかった特殊相対性理論を、加速度系も扱えるように拡張した理論であると言える。対称性の視点からは、まず、特殊相対性理論は系のローレンツ変換に対する対称性により特徴づけられ、非相対論的極限によりニュートン力学の有するガリレイ変換が導かれる。一方、一般相対性理論は一般座標変換(diffeomorphism)に対する対称性により特徴づけられるアインシュタイン方程式を基礎方程式とする理論である。アインシュタイン方程式の有する一般座標変換に対する共変性は重力を小さくする極限のもとでローレンツ変換に対する共変性に帰し、一般相対性理論は特殊相対性理論を包含する。当然、古典力学も包含している。
量子力学との関係
量子論は一般相対性理論と同様に物理学の基本的な理論の一つであると考えられている。しかし、一般相対性理論と量子論を整合させた理論(量子重力理論)はいまだに完成していない。現在、人類の知っているあらゆる物理法則は全て場の量子論と一般相対性理論という二つの理論から導くことができる。そのため、その二つを導くことのできる量子重力理論は万物の理論とも呼ばれている。量子重力理論は、高エネルギーでかつ時空が大きく曲がっている系を適切に記述できるため、場の量子論と一般相対性理論では適切に議論することのできない宇宙創世初期の状態についても予測できると考えられる。量子重力理論の有力な候補としては、超弦理論がある。曲がった時空上の場の理論(Quantum field theory in curved spacetime)一般に場の量子論においては平坦なミンコフスキー時空における粒子を扱うが、重力の効果を近似的(半古典的)に背景時空(曲がった時空)として導入することにより場の量子論に曲がった時空の効果を近似的に取り入れたものである。重力子の影響を背景時空として近似しているため、強い重力場のもとでは時空を完全に量子化したような量子重力理論に修正されるべきである。欠点としては、時空が静的なものであるため完全には相対論的ではない。ホーキング放射はこの理論のもとで予測された。
topology
位相幾何学(いそうきかがく、topology)は「やわらかい幾何学」として知られる、比較的新しい幾何学の分野である。位相幾何学では、例えばドーナツ(円環)と取っ手のついたコップは同一視される。これはドーナツを「連続」的に変形して取っ手のついたコップにすることができ、その逆もできるからである。ここで、「連続」という言葉を強調することには意味がある。連続性は、まさしく位相幾何学の存在理由となる概念であるからである。連続性を より厳密に定義するために用いられるのが、近さを測る距離の概念を抽象化した 位相と呼ばれる概念である(位相については位相空間の項を参照)。ユークリッド幾何学が紀元前にはできていたことと比較すると、オイラーやガウスに始まる位相幾何学は高々250年の歴史であり、大きな差がある。オイラーは、いわゆるオイラーの多面体定理において球面に連続的に変形できるような多面体の辺・頂点・面の数の間にある関係が成り立つことを見出したが、これをもって位相幾何学の始まりとするのが一般的である。古典的な位相幾何学は、図形として取り扱い易い多面体を扱っていたが、20世紀に入 り、(微分可能)多様体、ホモトピー、(コ)ホモロジー、ファイバー束等の新しい概念が導入されて、数学の最先端の一部を成している。位相幾何学の基本的な考え方として、連続写像によって変わらないような性質を見出すことがある。例えば、冒頭のコップとドーナツの例では、どちらも一つのつながった図形(連結性)であり、また穴が一つだけ空いている。このような性質は位相不変量と呼ばれる。視点を逆にして、同じ位相不変量をもつ図形が互いに連続的に移りあうか、という問題を考えることもできる。例えばポアンカレ予想はそのような問題である。位相幾何学の研究は、低次元の空間を扱うものと高次元の空間を扱うものとで、その手法が大きく異なる。位相幾何学は大きく、代数的位相幾何学、微分位相幾何学それから低次元位相幾何学に良く見られる幾何学的位相幾何学の三つに分類できる。近年では生物学と数学の学際的分野であるDNAの位相幾何学が勃興した。コーヒーカップからドーナツへ コーヒーカップを引っ張ったり縮めたりして連続的に変形させていくと、ドーナツの形へ移し変えができる。こうした連続的な変形はホモトピーと呼ばれる。位相幾何学的には、ホモトピーによって移り変わる二つの図形(コーヒーカップとドーナツなど)は、区別されない。
緒形拳
2008年10月7日火曜日
亡くなったんですね。
早稲田
ARMANI
最近のデスクトップ壁紙はこれです。